焼きたち
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先ほどの秘境駅「尾盛駅」に到着。
私の前の座席に乗っていたカップルが、立ち上がって列車から降りた。
えっ、ここは秘境駅だよ。
何にもないんだよ。
駅からどこかに行ける道はないし、駅には物置小屋しかない。自販機もない。
後続の列車(1日4便のうちの3便目)は1時間後に来るとはいえ、こんな駅で降りていったい何をするというのだろうか。
人目のない屋外で、いかがわしいことをするのではないかと妄想が膨らんだ。
自分も一緒に降りたら、さぞ気まずいだろうな、とも思った。
男が「カメラ忘れた」と言ったので、私は慌てて座席を見てあげたが、忘れ物はない。
車掌の笛が鳴って、列車はゆっくりと動き始めている。
私が「ないよ」と教えてあげると、男は「ないならいいです」と言った。
さすが、秘境駅で降りるバカップルは違う。
とんだお騒がせである。
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